活動
 

                         2016818

京都市における介護予防・日常生活支援総合事業に関しての意見書

   京都市保健福祉局 長寿社会部 長寿福祉課長様

                                                        高齢社会をよくする女性の会・京都代表  中西 豊子

京都市中京下妙覚寺町185-804                                電話075-253-1860


1.      新総合事業の内容説明会を、小学区ごとの市民向け、介護関連事業所、関連団体等で、早急に実施されるよう要望します。特に現在要支援1,2の方々へは丁寧かつ具体的な説明が必要です。今まで通りにサービスが受けられるのか、どこがどう違うようになるのか、介護保険料及び利用料はどうなるのかなど丁寧に説明して頂きたい。

2. 新総合事業では、介護保険と同じように、対象者の認定調査を必須にされることが望まれます。保険者、地域包括支援センター、及び新総合事業に関わる全ての事業所等に認定調査を義務付けること。新総合事業に移行したせいで、要支援、要介護に必要なサービスの給付漏れを防ぐためです。なお現行の要支援者などが新総合事業に移行する場合にも、新たに認定された要介護者が新総合事業を利用する場合にも、世帯全体と利用者のニーズを考慮に入れて、利用者の承諾の上で新総合事業の利用を決定されるよう要望します。


3 新総合事業では、生活支援にボランティアなどのサービスが盛り込まれていますが、利用者の家に入る訪問サービスは、特に安心や信頼が大切です。また軽度の人への適切な支援が、その後の重度化をくい止める効果をもたらします。「支え合い型ヘルプサービス」に従事する「雇用労働者」、地域支え合い型ボランティアにも、最低100時間の研修期間を設け、現場研修も必要です。また研修のための標準カリキュラムの質を落とさないようにお願いします。特に高齢者の心身の特徴、高齢者への援助術、秘密保持、緊急を要する事態(本人の容態急変、災害発生時等)の対応など重要な項目には十分に時間をとっていただきたい。

4 新総合事業のサービス内容を決めるときには会議は複数設定されるといいますが、必ず利用者の出席と発言が保証されること、また結論を利用者によく理解してもらうように。

5 利用者の状況によっては新総合事業と介護保険の両方の制度を利用したり、どちらかの制度に頼ったり、制度を行ったり来たりする利用者が出ると思います。利用者本人や家族に混乱や負担を起こさないように丁寧な説明がなされるよう望みます。

                                  以上


2015年例会  
11月例会
 日 時  2015年1128日(土)  午後1時30分~4時
 会 場  京都佛立ミュージアム (京都市上京区御前通り一条上る)  
 
 テーマ  よく知ろう!マイナンバー制度
      
生活に必要となる新制度を学びましょう

 講 師  毛利 崇弁護士
 
  1 「マイナンバー法」とは?
  2015年9月3日成立し同年10月5日施行されました。日本に在住するすべての人が対象です。制度導入にあたっ て国民に十分な説明や指導が重要です。

 2 住基ネット裁判(プライバシー権(憲法13条)違反)
  2002年「住基基本台帳ネットワーク」(住基ネット)が稼働しましたが、2008年最高裁判決で「住基ネットは合憲」と なりました。但し、前提として「個人情報を一元的に管理することができる機関または主体的に存在しないこと」に示さ れているようにマイナンバー法はこの基準を満たしていません。

 3 「マイナンバー法」の狙いの一つ
  個人情報保護法1条に「個人の情報の適切かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活用ある経済社会及び  豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に」という文言が付加されている。

 マイナンバー制度の拡充のためのコンピュターシステムの改良がされマイナンバーカード利用等のための小売店の レジの改良等が行われている。このことはIT産業を潤すためである。巨大な費用が掛かっている。この費用を小規模 業者などに振り向けることで多くの人が潤い豊かな生活に繋がるのではないかと思っている。

 4 マイナンバー制の内容

 (1)「個人情報番号」・「法人番号」が付与されている。日本在住のすべての個人に12桁の「個人識別番号」が付与さ れ法人には13桁の番号が付与されている。

 (2)本年10月5日現在の住民票住所の世帯主宛に「マイナンバー通知カード」が簡易書留で送られてきているが重 要な番号が記載されているのであるから個人あてに親展で送られるべきではないか。日本の制度では世帯主宛に届 くことになっているがすべての人の利益になるのか。受け取る義務はない、拒否してもよい。DV等で住所の知られた くない人もいる。身分証代わりに使うこともできる。

 (3)企業が従業員およびその扶養家族全員の個人番号収集を開始する。従業員の番号の取得は、今のところ「義務 」ではない・一旦取得したら厳重な管理・保管・廃棄(7年後)の義務がある。

 (4)「個人カード」は申請に基づき交付される。

 (5)2016年1月から適用される3分野
  ア 国税とそれに関連する住民税
  イ 社会保障関連(雇用保険・労災保険、医療・介護保険、健康保険、年金、児童手当、生活保護)などと関連して   使われる。但し年金番号とリンクされる。1年延期される。年金機構の情報漏洩があったことから安心できるか。
  ウ 災害関連(被災者の再建支援事務など支援金を給付されることに使われる。
  *地方公共団体も、社会保障、地方税、防災事務、特定健診(メタボ健診)の履歴、及び予防接種履歴にも個人     番号 を結びつけることになる。
   役所のコンピュータに記録されたものはいろいろなところとつながってしまう。
   生活保護を申請した人が役所の窓口で返されているがこれは窓口の職員が悪いのではなく、生活保護を受けさ    せないような仕組みになっているからだ。

 (6)2017年1月以降の予定

  ア 国の各機関の連携開始(1月~)
 イ 所得税の2016年分確定申告に個人番号適用但し「番号の記載がなくとも、法定調書・確定申告書は収受す   る。未記載による不利益はない」(国税当局)
 ウ 地方自治体の連携開始(7月~)

 (7)2018年以降の予定
  預金口座への適用但し、今のところ利用するか否かは預金者の任意とされている。

 5 将来予想される方向性
 ア 公的サービスに係るカード類(健康保険証、印鑑証明カード等)
 イ 広く保有される資格の証明書類(国家資格の証明書等)
 ウ コンビニ交付等、利便性の高いサービスの拡大
 エ 官民の本人確認を要する手続きでの利用
 オ 以下の分野へのマイナンバー利用範囲の拡大等を検討している。
 ①   戸籍事務 ②旅券事務 ③預貯金付番 ④医療・介護・健康情報の管理・連携 ⑤自動車登録事務

 6 問題点・危険性

 (1)プライバシー侵害の危険性
 個人の同意なしに個人情報を提供されてしまう。
 情報の紹介者には厚労大臣、知事・市町村長、独立を行政法人日本学生支援機構なんなどの照会に対して各関係 機関は、個人の同意なしに、情報(医療保険給付関係、地方税額、年金給付関係情報、生活保護、児童扶養手当、  介護保険、奨学金受給者の医療・生活保護・地方税関係等)を提供することができる。
 正当な目的だけに使われるかと言えばそうでないこともある。私たちはプライバシー権が憲法で守られている。

 (2)「匿名加工情報」の第三者提供
 個人情報を「加工」すなわち一字伏せなどすれば本人の同意なく第三者にインターネット会社に売買される可能性が ある(以前は禁止されていた)
 *「加工」とは「氏名の削除、住所や生年月日の一字省略等を言う
 商品の購入履歴等を集積した「ビッグデーター」を経済活動に活用しようとする狙いがあるが今は個人情報保護法で 守られている。

 (3)個人情報(収入、医療、資産から買い物履歴(消費税「還付」に関わる)に至るまで)をすべて国家が一元管理す ることになる。」マイナンバーは一生不変なものである。
 個人情報が漏えいしないようにセキュリティ対策ができているがそれを取り扱う人に注意が必要。
 「分散管理」という体裁をとっている。

 (4)個人情報漏えいの危険性
 今までに国の機関である日本年金機構で125万件もの情報漏えいがあった。
 もし、個人番号が漏えいした場合、家族情報・預貯金等の資産内容・病歴・さらには消費税増税に伴う還付制度導入 の場合には消費内容歴までも国家に一元管理され、しかも漏洩する危険がある。
 徴兵制のための基礎情報の収集が狙い。元防衛大臣石破氏が漏らしていた。貧困蓄積による“経済徴兵”、徴兵適  年齢者の健康状態の把握という指摘もある。

 
7 マイナンバーの狙い

 (1)徴税強化
 自営業者の収入が明らかになる。正当な税金は納めなければならないが親族に高額所得者がいた場合生活保護を 申請した人が受給できないということが起こり得る。生活保護は個人の権利であり国家に管理されるものではない。

 (2)社会保障の効果的削減

 (3)IT産業の儲けマイナンバー市場は3兆円ともいわれている。
 *政府とIT企業との癒着が起こり得る。
 既発注額862億円のうち、89.5%を「情報連携基盤技術ワーキンググループ」(2011年立ち上げ)に参加のうち9 社が受注している。このうち6社に対して国等行政の幹部32人が「天下り」
 *巨大市場を巡り早くも増収愛事件の発生(厚労省・中安事件)がある。
 
 (4)国家権力による国民の支配の手段の一つ あらゆる分野について利用しようとする動きは世界の潮流とは異な  る。例えばスエーデンは社会保障と税、ドイツは税務関係に限定されている。   

 質疑応答
 Q  86歳です。今手続きをしておく方がいいのでしょうか。早く作ったものがバカを見るということにならないようにするにはどうしたらよいか。住基カードは返すのか。
 A  住基カードは返す。このカードを作らなかったら使えないことになる。作らないということが一つの抵抗なる。

 Q  25年アメリカにいた。アメリカはこの制度は縮小状態になっている。年金等個人を保護するようになっている。ア メリカは預金の管理はしていない。
 A  マイナンバー法は憲法違反であると考える。

 Q  憲法違反であるならなぜ戦争法反対の時のように反対の盛り上がらなかったのか。
 A 心ある人は違反であるということを、声を大にしていうことが大事。基本的人権に違反している

 Q この制度は賛成でない。どうやって乗り越えることができるのか。
 A みんなが使わなければいきわたらない。今の政権が変わらない限り

 Q 消費税との関係で益税はどうなるのか
 A 益税はなくならない

 Q 忘れられる権利はどうなるか
 A 犯罪歴がPCの中に保存されている。忘れてもらえない。プライバシーに違反する。

 Q 作らなかったことに対して違反だといわれないか
 A 罰則はない 


  
 10月見学会
日 時    2015年1031日(土)  見学11時~12時
 場 所    大和ハウス工業株式会社 大阪本社
           大阪市北区梅田3丁目5号  ℡ 06-6342-1565   
 集合場所  JR大阪駅中央改札口 .
 集合時間  午前10時30分
 当日会費  会員・学生 500円 一般 1,000円

 大和ハウスでのロボット見学は、時間が少ない位、興味深く見学しました。みなさんと話も出来て、楽しい一日となりました。 詳細は京都の会ニュース72号に掲載
 9月例会
 日 時  2015年19日(土)  午後1時30分~4時
 会 場  京都佛立ミュージアム (京都市上京区御前通り一条上る)  
 参加費  会員・学生 500円 一般 1,000円
 
 テーマ  認知症の方が暮らしやすいように
              ─認知症高齢者への具体的な接し方─

 講 師  松島滋児さん (社会福祉法人宇治明星園 元総園長)

 超高齢社会を迎えて、認知症の方も急増しています。ご家族だけでなく、友人やご近所の方にも、様子が違うなあ思われる場合の声かけなど、認知症のひととの具体的な接し方については意外に勉強する機会がありません。
 認知症の方に対する接し方のよし悪しが、、その方の症状を緩和したり悪化させたりすることもあるようです。誰もが認知症について正しい知識をもち、良い接し方ができることが、緊急の課題です。今回は、長年、高齢者福祉の現場に立ってこられた松島さんから、認知症の症状やその接し方の実際について学びました。
 

 私が認知症について関心をもったのは 私は1968年から,修道院の設立した特別養護老人ホームこと ぶき荘や社会福祉法人宇治明星園などで,総園長として働き認知症の方とのかかわりを深めていきました。 また,設立時から「認知症の人と家族の会」に参加し,体験を積んできました。

 認知症は,知的な面で日常生活に支障をきたす慢性の病気 症状としては,昔のことは覚えているのに, 新しいことは覚えにくい記憶障害や,時間や季節感が薄れてくる。自分のいる場所がわからなくなる見当識 障害があります。理解力,判断力の障害を感じるようになります。また,元気がなくなり,引っ込み思案に なることがあります。身の回りのことが出来なくなります。

 家族は,自尊心を大切にして叱らない。優しさをシャワーのように,浴びせましょう。下記の認知症の方へ  の具体的な接し方を参考にしてください

物忘れ 今し方食べたばかりなのに,そのことをすっかり忘れてしまう。「さっき食べたでしょ」でなく,「もうすぐできますから」「ちょっと手伝ってください」等,話題を変えて対応する。記憶は最近の出来事から失われる。

妄想 「大切なものをなくしてはいけない」と思ってどこかにしまい忘れる。「一緒に探しましょう」と言って探しながら本人にみつけてもらう。

見当識障害 「今日は何日?」という問いは,何日かを知りたいのではなく,今がいつで,ここがどこなのか不安に思っている時。部屋の決まったところにカレンダーをかけて,一緒に今日を確認する(同じ立場に立って)一緒に納得する。

人物誤認 何年も一緒に暮らしているのに「あなたはどなたですか?」と,新しい記憶がなくなり,ひと間違いをする。「お帰りなさい」が言えない時,もう一度玄関から「お母さんただいま帰りました!」と言いましょう。自分の息子さんなのに突然「ただいま」だけでは瞬間戸惑うことがあるようです。

徘徊 「帰り道がわからなくなる」「昔住んでいた家を探そうとする」(徘徊ではなく,散歩気分)本人は,自分の実家や親戚をたずねようとしているので「急いで帰りましょう!」と,勧めるのはよくない。ペンダントに住所,氏名を記入しておく。特に一人で出かける場合は,途中で道に迷った時の安全のため,洋服の衿の裏に住所などを記載してぬいつけるなど工夫する。

幻覚 「誰かがうちのなかを狙っている」とか,近所の子供達の声が「私の悪口を言っている」など。説得よりもまず安心感を与えること。ひとまず,子供の声が聞こえない部屋に連れて,ゆっくり別の話題で気持ちを紛らわせる。

性格変化 「性格が変わったように怒りぽくなり,感情のコントロールが効かない」冷静になって,上手に話題を変えたり,注意を別の方に持って行くなど。感情のコントロールが効かないときは,黙って寄り添うことが大事でしょう。

問題行動 「失禁や不潔行為など・・・失敗したことを隠したいという自尊心」「問題行動」と決めつけるこちらが「問題行動」と判断していないか?「虚栄心?」のような取り繕いもあるので,先ずその感情を理解してあげることが重要になる。

異食 「食品でないものを食べようとする」食べられないもの,危険なものを目の届かないところにしまうこと。

「レビ-小体型認知症」はパーキンソン症状が見られることが多いので,パーキンソン病と診断され,レビ-小体型認知症が見過ごされてしまうこともあります。ポットの熱湯は危険なので,注意が必要です。転倒したときは頭蓋内に血腫が出来るときがあるので,脳外科で検査を受けることも必要です。医療機関にかかるのを拒む場合も多いが,家族が工夫をして「付き添い」という立場で,受診するといいでしょう。この場合事前に医療機関に状態を伝えると良いでしょう。本人の前で医療従事者に本人の状態を話すのは,自尊心を傷付けることになるので,気をつけましょう。

 講演の後で

・松島さんから。認知症になっていても,若い頃の自信に溢れた写真を部屋に貼ったり,元気な頃の過去の楽しかった話をしたりして,普通の家族と同じようにする方が良いでしょう。本人のプライドを傷つけたり,否定的な言葉を使わないで,優しい環境をつくってあげて下さい。

・現在,認知症カフェを実践されている方から,貴重な提言がありました。徘徊などがあるので,地域で支えること。独居も多いので,一人にしないでグループで楽しいことに誘い込む。ケアがよければ悪くなるスピードが遅れる。認知症であることを隠さないで,認知症になったら,地域でどういうサポートをするか工夫することが必要です。

・以前,介護福祉士をされていた方からの報告です。ヘルパーさんを頼まれていた認知症の方が,ヘルパーさんによって態度が違った。丁寧な話をして,返事を求めるヘルパーさんとそうでないヘルパーさんとでは,対応に大きな差があったことから,丁寧な話しかけの大事さを学びました。

7月例会 
 日 時  2015年19日(日)  午後1時30分~4時
 会 場  京都佛立ミュージアム→ホームページをご覧ください   
 参加費  会員・学生 500円 一般 1,000円
 
 テーマ  私が看取った人々─心に残った人生の終わり方
 講 師  明石 陽子さん (社会福祉士 介護付き有料老人ホーム元ホーム長)

 終の住処を自らの意思で選択し、人生の終末を迎えるという有料老人ホーム。そこでは日々人間ドラマが展開されて いると言えるでしょう。数多くの終末期を看取ってこられた講師から、心に残った人生の終わり方についてお話をきか せていただきました。

 

 三十年前「ライフ・イン京都」開設

  入居者がその人らしく生き、自立(自律)的に日常生活を送れるよう支援し、一人ひとりのライフスタイルや価値観を 理解して、そのこだわり・我儘を受容し、毎日が楽しく月々の生活費が年金の範囲内で収まる生活を実現する。この  ようなことを目指し、入居動機は「第二の人生を楽しむ」、入居者平均年齢は67歳の、現在を先取りしたホームでした

 はぼ三十年を経過して 看取りに臨む実践

 入居者の高齢化(平均年齢85歳)に伴い、要介護者・認知症の方が増加し、入居動機も「質の良い介護サービスの提供と医療との連携」と変化。介護居室増築、看護・介護専門職員も増やして、看取りに臨み、次の実践を行いました。

 ① チーム医療、チームケア、チームスピリチュアルの実施。

 ② 本人の終末期要望書の指示をできる限りかなえる。

 ③ 「出来ることミーティング」と「振り返りミーティング」の実施。

 ④ プロとして最後まで情報提供、決断の手助けをし、本人・家族を支える。

 ⑤ 職員全員が「死ぬということ」を学ぶ、村井淳志・中村仁一先生などから。

 看取りから学ぶ人生の終わり方

 私はホーム開設以来27年間に350人を超える方々を見送って来ました。最初はほとんどの方が協力病院で亡くなりましたが、ホームが終末期に向けての要望書を作成後は、ホームで最期を迎えたいという方が多くなり、ターミナルケアに取り組むことになったのです。大抵は深夜から明け方に、親族、診療所の主治医をお待ちし、先生が死亡確認後、死亡診断書を書いて下さってから、エンゼルケアができるのです。

 多くの看取りから多くを学びました。全てが心に残った人生の終わり方でした。亡くなった方のプライバシーは個人情報には触れませんが、お名前や年齢は抽象化して、お話しさせていただきます。

(1) Aさん 女性 享年90代前半 小児科医 詩人

 体調を崩され、自分の終末は病院ではなくホームで迎えるという強い意志を表明。医師、看護師、介護職のチームケアが始り、終末期は2時間おきの巡視で、バイタルサイン測定、水分補給、清拭などを行う。最後は抹消静脈からの点滴だけを受け、枯れるように静かに亡くなる。ホームで通夜葬儀を行う。

 Aさんからの学び:自分の居室で死ぬという強い覚悟。医療のバックアップがないと自室では死ねないということ。医師が毎日往診する環境にあったので変死扱い(24時間往診がない場合検視解剖)にならなかった。

(2)Bさん 男性 享年80代後半 公務員

 奥様と二人で入居。奥様が亡くなられ、一人になってからはご自分の終活を始める。任意後見契約(成年後見人制度)を中野司法書士と結び、ホームに迷惑がかからぬよう葬儀の内容、遺骨の埋葬墓地、それらの費用などを指示して、今年亡くなられた。

 bさんからの学び:徹底した終活。任意後見契約(成年後見人制度)の活用。人に迷惑をかけたくない思いが強すぎ、人付き合いがうまくできなかったこと。

心安らかに最期を迎えるために

 最期のあり方は一人ひとり違います、生き方が違うのですから。最期の瞬間まで自分らしく生きるには、準備と覚悟が必要です。

(1)人生の最後をどこで暮らすかは本人次第です。親子で暮らすには広さの条件があります。自宅でおひとり様で暮らす場合は、地域にどんなサービスがあるか、どんなケアマネジャーがいるかなどや利用する方法を知っていることが大切です。高齢者用住宅で暮らす場合は、必ず体験入居して複数の物件を納得のいくまで比較検討しましょう。

(2)自分の意思は文書にして置きます。尊厳死宣言書、遺言書、任意後見契約(成年後見人制度)、生命保険証書、心肺蘇生処置拒否指示書DNRなど。

(3)残された人の精神的、経済的負担を出来るだけ少なくしましょう。

終末期、死亡時に必要な費用の準備(死亡を金融機関が知ると口座凍結)。手紙日記、写真、賞状など、残された人が処分に悩むものは処分しておく。遺影、死装束、棺桶に入れてほしいものは、宗派、檀家寺、家紋などの覚書とともに、一カ所にまとめておく。

(4)死は必ず訪れる。認知症は85歳を過ぎると高い確立で患う。これは地震と同じ、「来るなら来い」の準備と対応が肝要。来てからでは遅い!
? 老衰死:細胞分裂減少で水、栄養を吸収しなくなり、呼吸苦、浮腫もなく、平穏な死を迎える。
② 突然死:入浴中の溺死、亡くなってから発見されるまで時間がかかる死、事件性が疑われ警察の介入(検視解剖)がある場合の死など。
③ 認知症:認知症のの研究は、今のところ決定打はない。「なった者勝ち」 と思って、生活の質QOLが保証される環境を用意する。なった場合どうしてほしいか、家族などと事前に話し合い、認知症対応の介護付き高齢者施設への早めの住み替えを検討するのも、一般的になっている。 

(5)覚悟と準備を整えたら、親族、友人、ホームの職員、周りの人たちと良い環境を保ち、感謝の気持ちをもってお別れをし、後のことはおまかせしましょう。 

 今回の準備で色んなことを振り返り、死への準備教育は良く生きるための準備教育だというデーケン氏の講演を思い出しました。いつかは死ぬと思うと、限定された時間を良く生きようと考えます。いつかは愛する人を失うとわかれば、もっと大切にしようとします。

 私は今、嚥下機能が衰えた88歳の母がいるホームへ夕食介助に通っています。煩わしく感じることもありましたが、母と過ご時間を一層大切にしたいと改めて思います。このような思いになれた機会を与えてくださった会員の皆様、ご清聴の皆様に深く感謝申し上げます。

5月見学会  
 
 日 時 2015年5月26日(火) 10時から15時ころ 
 場 所 老健 「春風」 と サントリービール工場

 3月例会
 
  日 時  2015年3月8日(日) 13時30分から16時00分
  場 所  京都アスニー

  講 師 
 中野篤子さん 司法書士
         (公社)成年後見センター・リーガルサポート
         医療行為の同意検討委員会副委員長)

  テーマ  「
おひとりさまの危機管理
        ー最後まで自分らしい生活を送るためにー


 1月新年総会
 
  日 時 2015年1月25日(日) 13時30分~16時30分
  場 所 京都アスニー 3F会議室
  資料代 会員 500円

  第1部 総会
  第2部 茶話会と会員の経験談
   ① 「家族に介護が必要になった時」 高嶋 紀子さん
   ② 「きょうだいでみる家族介護」    森田 英子さん
   ③ 意見交換